最新の中東情勢
2026年3月時点の中東情勢は、引き続き緊張状態が続いている。
主要な動き
| 時期 | 出来事 | 影響 |
|---|---|---|
| 2025年後半 | イラン核開発の加速報道 | 原油先物上昇 |
| 2025年12月 | 米イラン間の間接交渉報道 | 一時的に緊張緩和 |
| 2026年1月 | イラン制裁強化(トランプ政権) | 原油供給懸念 |
| 2026年2月 | ホルムズ海峡での小規模衝突 | 原油急騰 |
| 2026年3月 | 外交チャネルでの対話模索 | やや落ち着き |
現在のリスク要因
- イラン核開発 — 90%以上の濃縮ウランの保有量が増加
- ホルムズ海峡 — 世界の原油輸送量の約20%が通過する要衝
- 米国の制裁強化 — イラン産原油の禁輸措置
- イスラエルとの緊張 — 代理戦争の継続
原油価格の推移
WTI原油先物の推移(2025年10月〜2026年3月)
| 月 | WTI原油(ドル/バレル) | 前月比 | 主な要因 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月 | 72.50 | — | 基準 |
| 2025年11月 | 74.30 | +2.5% | OPEC減産維持 |
| 2025年12月 | 71.80 | -3.4% | 米イラン交渉報道で下落 |
| 2026年1月 | 78.50 | +9.3% | イラン制裁強化 |
| 2026年2月 | 85.20 | +8.5% | ホルムズ海峡衝突 |
| 2026年3月 | 80.50 | -5.5% | 外交対話報道で下落 |
2026年2月に85ドルまで急騰した後、3月は外交対話の報道を受けて80ドル台に落ち着いている。ただし、地政学リスクのプレミアムは依然として乗っている状況。
原油価格の主要サポート・レジスタンス
| レベル | 価格 | 意味 |
|---|---|---|
| 強いレジスタンス | 90ドル | 2024年高値、ここを超えると危機モード |
| レジスタンス | 85ドル | 2月高値 |
| 現在値 | 80.50ドル | — |
| サポート | 75ドル | 200日移動平均線 |
| 強いサポート | 70ドル | 心理的節目 |
過去の中東有事時のドル円データ
主要な中東有事とUSDJPY
| イベント | 期間 | USDJPY変動率 | 方向 | WTI変動 |
|---|---|---|---|---|
| 第一次オイルショック | 1973/10-1974/3 | +3.7% | 円安 | +300% |
| 第二次オイルショック | 1979/1-1980/4 | +8.5% | 円安 | +150% |
| 湾岸戦争 | 1990/8-1991/2 | -9.8% | 円高 | +130% |
| イラク戦争 | 2003/3-2003/6 | -5.2% | 円高 | -25% |
| リビア内戦 | 2011/2-2011/10 | -8.3% | 円高 | +25% |
| ウクライナ侵攻 | 2022/2-2022/12 | +14.1% | 円安 | +35% |
| イスラエル・ハマス | 2023/10-2024/3 | +6.2% | 円安 | +10% |
パターン分析
過去のデータからいくつかのパターンが見える。
パターン1: 資源輸入国の日本 → 原油高は円安要因
日本は原油の99%以上を輸入に頼っている。原油価格が上昇すると:
- 日本の貿易赤字が拡大
- 経常収支が悪化
- 円売り圧力が増す
パターン2: 金利環境で方向が変わる
| 金利環境 | ドル円の傾向 |
|---|---|
| 日米金利差大(現在) | 円安方向に行きやすい |
| 日米金利差小 | リスクオフの円買いが勝つ |
湾岸戦争(1990年)やイラク戦争(2003年)で円高になったのは、当時の金利環境が異なるため。現在の高金利差環境では、ウクライナ侵攻時のパターン(円安)に近い動きになる可能性が高い。
パターン3: 初動はリスクオフ、その後は原油要因
- 有事の第一報 → リスクオフの円買い(数日間)
- 原油高の影響を織り込み → 円安に転換(数週間)
- 事態が収束に向かう → 原油安→円高方向に戻る
ゴールド(XAUUSD)の分析
なぜゴールドが注目されるのか
ゴールドは伝統的な安全資産(セーフヘイブン)。地政学リスクが高まると買われる傾向がある。
ゴールドの推移(2025年後半〜2026年3月)
| 月 | XAUUSD(ドル/オンス) | 前月比 | 主な要因 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月 | 2,750 | — | 基準 |
| 2025年11月 | 2,680 | -2.5% | 利下げ期待後退 |
| 2025年12月 | 2,720 | +1.5% | 年末の安全資産需要 |
| 2026年1月 | 2,850 | +4.8% | イラン制裁でリスクオフ |
| 2026年2月 | 2,980 | +4.6% | ホルムズ海峡衝突 |
| 2026年3月 | 2,920 | -2.0% | やや落ち着き |
ゴールドは2026年に入って2,800-3,000ドルのレンジで推移。3,000ドルの大台ブレイクが意識されている。
ゴールドと円の関係
面白いことに、ゴールドと円は似た性質を持つ。どちらも「安全資産」として買われることがある。
ただし現在は:
- ゴールド = 買われている(地政学リスク+インフレヘッジ)
- 円 = 売られている(日米金利差が大きい)
つまり、金利差の要因が円の安全資産としての性質を打ち消している状態。
ゴールドとドル円の相関
| 期間 | 相関係数 | 解釈 |
|---|---|---|
| 2020-2022 | -0.65 | 強い逆相関(ゴールド↑=円高) |
| 2023-2024 | -0.15 | 相関ほぼなし |
| 2025-2026 | +0.30 | 弱い正の相関(ゴールド↑=円安) |
最近はゴールドが上がってもドル円も上がる(円安)という異常な相関になっている。これは金利差の影響が圧倒的に強いため。
今後のリスクシナリオ
シナリオ1: 緊張エスカレーション(確率20%)
- ホルムズ海峡の封鎖または大規模衝突
- 原油価格が100ドル超に急騰
- 世界的なリスクオフ
| 資産 | 想定される動き |
|---|---|
| USDJPY | 初動は155円方向へ急落、その後160円超へ |
| XAUUSD | 3,200ドル方向へ急騰 |
| WTI | 100-120ドル |
シナリオ2: 現状維持(確率55%)
- 緊張は続くが軍事衝突には至らず
- 原油は75-85ドルのレンジ
- 市場は地政学リスクに慣れる
| 資産 | 想定される動き |
|---|---|
| USDJPY | 158-162円のレンジ |
| XAUUSD | 2,800-3,000ドルのレンジ |
| WTI | 75-85ドル |
シナリオ3: 緊張緩和(確率25%)
- 米イラン間の外交合意
- 制裁の段階的緩和
- 原油供給の回復
| 資産 | 想定される動き |
|---|---|
| USDJPY | 160-163円(リスクオン円安) |
| XAUUSD | 2,700ドル方向へ下落 |
| WTI | 65-70ドル |
原油関連の注目指標
中東情勢を追う上で、以下の指標を定期的にチェックしよう。
| 指標 | 発表頻度 | 確認先 |
|---|---|---|
| WTI原油先物価格 | リアルタイム | MT5(OIL.WTI) |
| EIA原油在庫統計 | 毎週水曜 | 米エネルギー情報局 |
| OPEC月報 | 毎月 | OPEC公式サイト |
| ベーカーヒューズ・リグカウント | 毎週金曜 | Baker Hughes |
| 地政学リスク指数(GPR) | 日次 | matteoiacoviello.com |
トレード戦略
中東情勢に対応するポジション管理
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 平時 | 通常のロットで取引 |
| 緊張高まる | ロットを半分以下に縮小 |
| 衝突報道 | 新規エントリーを控える |
| 急落時 | リバウンドを短期で狙う(慎重に) |
ヘッジとしてのゴールド
ドル円のロングポジションを持っている場合、ゴールドのロングを少量持つことで地政学リスクのヘッジになる。
ゴールドはMT5で「XAUUSD」として取引可能。XM Tradingでも取り扱いがある。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 現在の状況 | 緊張は続くが外交対話も模索中 |
| 原油価格 | 80ドル台、地政学プレミアム乗り |
| ドル円への影響 | 金利差が支配的。原油高は中期的に円安要因 |
| ゴールド | 安全資産として3,000ドル大台接近 |
| トレード | ロットを控えめに、ヘッドラインに注意 |
中東情勢は予測が難しい。だからこそ、リスク管理を徹底して、どちらに動いても対応できる準備をしておくことが大切だ。
大きなポジションを持ったままニュースに振り回されるのは最悪のパターン。常にロットは余裕を持って、冷静に対応しよう。