停戦は成立した。爆弾は止まった。
だが、海峡は開かない。
2026年4月7日、米イラン戦争42日目にして停戦合意。世界は安堵した。原油は$117から$98へ暴落した。
しかし3日後の今日、イランはホルムズ海峡の通航を1日15隻に制限している。通常は50〜60隻。7割カットだ。
イラン最高指導者の言葉はこうだった。
「海峡管理は新しいフェーズに入った」
トランプは即座に反応した。
「通行料は許さない。一銭たりとも」
停戦なのに、原油は$99.16。日中レンジは**$91.70〜$109.89**。18ドルも暴れている。
これは戦争の終わりではない。「チョークポイント戦略」の始まりだ。
なぜホルムズ海峡がすべてを支配するのか
世界の石油輸送の**21%**がこの幅33kmの海峡を通過する。
1日あたり約2,100万バレル。日本が輸入する原油の**88%**がここを通る。
この波及経路を頭に叩き込んでほしい。ホルムズの通航隻数が変わるたびに、この連鎖が動く。
過去のホルムズ危機 — 毎回、同じパターンが起きている
チョークポイント危機は今回が初めてではない。
1984年、タンカー戦争。 イラン・イラク戦争中、ペルシャ湾のタンカーが次々と攻撃された。原油は年間で+40%上昇。
1987年、アーネスト・ウィル作戦。 米海軍がクウェートのタンカーを護衛。イランとの小規模な海戦が発生した。
2019年、タンカー攻撃事件。 ホルムズ海峡付近で日本のタンカー「KOKUKA Courageous」が攻撃を受けた。原油は1日で+4%。安倍首相がイラン訪問中の出来事だった。
共通点がある。
封鎖の「噂」だけで原油は10〜20%動く。実際の封鎖が起きれば、30〜50%。
そして2026年。噂ではなく、実際に70%の通航制限が起きている。 これは過去40年で最も深刻なチョークポイント危機だ。
今回が異例な理由 — 「停戦なのに封鎖」
過去のホルムズ危機は、すべて「戦争中」に起きた。
今回は違う。停戦が成立した後に、海峡制限が続いている。
イランの狙いは明確だ。
- 交渉カードとして使う — 「制裁解除しなければ海峡は開けない」
- 恒久的な通行管理権の確立 — 海峡を「イランの有料道路」にする
- クウェートへの圧力 — ドローン攻撃非難への報復
これがトレーダーにとって厄介な理由がある。
戦争なら終わりが見える。しかし「管理権の主張」には終わりがない。原油のリスクプレミアムが長期化する可能性が高い。
チョークポイント戦略 — 具体的なトレード設計
ポイントは**「ニュースが出てから動く」**こと。
チョークポイント戦略は予測ではない。ニュースの方向が確定してから、連鎖するアセットに乗る。 原油が動いたら、30分〜1時間遅れで資源国通貨が追随する。この「タイムラグ」が利益の源泉になる。
今日のレンジが教えていること
WTI原油の日中レンジ: $91.70〜$109.89。
この18ドルという振れ幅は、平常時の約10倍。
$100という心理的節目を挟んだ攻防が、今の最大のテーマだ。
原油だけじゃない — 連動するアセットを狙え
チョークポイント戦略の真髄は、原油と連動する「二次的アセット」を狙うことにある。
原油はスプレッドが広く、ボラティリティも大きい。初心者がいきなり飛び込むには危険だ。
しかし、原油に30〜60分遅れて動く通貨ペアがある。
- USDCAD — カナダは世界4位の産油国。原油上昇→CAD高→USDCAD下落。相関係数-0.85。
- USDZAR — 南アフリカはエネルギー輸入国。原油上昇→ZAR安→USDZAR上昇。
- XAUUSD — ゴールドは地政学リスクの究極のヘッジ。ホルムズ制限が続く限り上昇圧力。
この「タイムラグ」を使えば、原油のヘッドラインを見てから、より安全なペアでエントリーできる。
あなたの番だ
ホルムズ海峡の問題は、明日には終わらない。
パキスタンでの交渉がどう転ぶか。トランプが次に何を言うか。イランが通航隻数をどう変えるか。
すべてがリアルタイムで原油と通貨を動かす。
これを「ニュースを見て終わり」にするか、「チャートを開いてエントリーする」か。その差が、半年後の口座残高を決める。