亀太郎 「亀美さん、正直に教えてください。今、世界で何が起きてるんですか? ニュースが多すぎて頭がパンクしてます。」

亀美 「2026年の世界は、3つの巨大リスクが同時に動いている。」

⚔️ イラン戦争
2/28〜 米・イスラエル vs イラン
初日900発の空爆。ホルムズ海峡封鎖。イランのミサイル報復。停戦交渉混乱中。
🛢️ 原油100ドル突破
ホルムズ90%封鎖→供給危機
WTI $100、Brent $103。世界の原油供給20%が影響。IEA「4月はさらに悪化」。
📦 トランプ関税1周年
解放記念日から1年
実効関税率2.5%→13.7%。製造業9ヶ月連続縮小。最高裁がIEEPA関税を違法判断。

亀太郎 「戦争と原油と関税が同時に……」

亀美 「これを”混乱”と見るか”チャンス”と見るかはあなた次第。私はデータで整理する。1つずつ行くわよ。」


第1章: イラン戦争 ── 33日間の全記録

なぜ戦争が始まったのか

亀美 「2026年2月28日。米国とイスラエルが、イラン全土に対して同時多発空爆を開始した。初日だけで約900発。」

亀太郎 「900発? なぜいきなり?」

亀美 「公式には”イランの核開発阻止”。ただし根は深い──2025年のイスラエル・ハマス紛争、イランの代理勢力(ヒズボラ・フーシ派)の活動、そして米大統領選での”強いアメリカ”路線。タイミングが重なった。」

戦争のタイムライン

⚔️ イラン戦争タイムライン(2/28〜4/2)
2/28
Day 1
米・イスラエル、イラン全土に約900発の空爆
最高指導者ハメネイ師と高官が死亡。12時間の集中攻撃。
原油: 急騰 ゴールド: $5,296→$5,423
3/1-5
Week 1
イラン報復 ── ミサイル500発+ドローン2,000機
米軍基地(湾岸)、イスラエル本土、湾岸国インフラを攻撃。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が始まる。
原油: Brent $119.50(瞬間高値)
3/11-12
Week 2
バーレーン国際空港にドローン攻撃、燃料タンク炎上
イラク・エルビル付近の連合軍キャンプにも攻撃。米兵負傷。
3/15
Week 3
米・イスラエル、イスファハン・シラーズ・テヘラン南部を大規模空爆
軍事施設に加え、民間施設(学校・医療施設)にも被害報告。国際的批判が高まる。
3/26
Week 4
イラン外相「ホルムズ海峡の選択的通行を許可」
中国・ロシア・インド等の船舶は通行可。米国関連は引き続き禁止。"通行料"制度を提案。
原油: やや下落(部分的再開の期待)
4/1
Day 33
トランプ「イラン大統領が停戦を要請した」→ イラン「虚偽だ」
元FM ハラジ氏の自宅に空爆、妻死亡。イラン「外交妨害だ」と反発。戦争中最大のミサイル斉射をイスラエルに向けて実施。
原油: 停戦期待で一時下落→否定で反発 ゴールド: +2.32%
4/2
TODAY
停戦交渉は混乱。トランプ「2-3週間で決着か、インフラ爆撃」
4/6がイランへの次の期限(発電所攻撃)。ホワイトハウスは「ホルムズ再開は必須条件ではない」と軟化の兆し。

亀太郎 「33日間でここまで……。停戦はあるんですか?」

亀美 「トランプは”軍事目標はほぼ達成”と言っている。でもイランは”停戦など要請していない”と否定。この”言った・言わない”の混乱が市場を最も揺さぶる。トレーダーはヘッドラインひとつで判断を迫られる。」

💡 この章のポイント: イラン戦争は33日目。停戦交渉は混乱中。「停戦期待→ドル安・原油安」「停戦否定→ドル高・原油高」の繰り返しパターン。次の転換点は4/6の期限。


第2章: ホルムズ海峡 ── 世界経済の急所が封鎖された

亀太郎 「ホルムズ海峡って、そんなに大事なんですか?」

亀美 「数字で見せる。」

ホルムズ海峡の数字
世界の原油供給の20%がここを通る
90-95%
船舶通行量の減少率
20%
世界の日次原油供給に占めるシェア
95%
日本の中東依存度

イランの”安価な封鎖”戦略

亀美 「イランは空母で海峡を封鎖したわけじゃない。ドローンとIRGC(革命防衛隊)の警告だけで90-95%の通行を止めた。」

亀太郎 「ドローンだけで?」

亀美 「そう。数百万円のドローンで、数兆円規模の世界貿易を止められる。これが21世紀の非対称戦争。」

選択的通行──新たなパワーゲーム

亀美 「3/26からイランは”味方の国”には通行を許可し始めた。」

通行可通行不可
中国、ロシア、インド、イラク、パキスタン、マレーシア、タイ米国関連船舶、イスラエル関連船舶

亀美 「さらにイランは”通行料”制度を提案。ホルムズ海峡を”有料道路”にしようとしてる。」

亀太郎 「国際法的にOKなんですか?」

亀美 「国際法上は完全に違法。でも”誰が取り締まるのか”が問題。米海軍はイランへの空爆に忙しく、海峡のパトロールに十分な戦力を割けていない。──結局、国際法は”力”がなければ紙切れなの。トレーダーとしては”事実としてどうなっているか”だけを見ればいい。」

日本への影響

🇯🇵 日本への直接的影響
原油輸入
日本の原油輸入の約95%が中東経由。ホルムズ封鎖は日本にとって1973年オイルショック以来最大のエネルギー危機。
円への影響
原油高→貿易赤字拡大→実需の円売り→円安圧力。USD/JPYが160円を超えれば日銀介入のリスクも。現在158.73円。

💡 この章のポイント: ホルムズ海峡は事実上90-95%封鎖。IEA「4月はさらに悪化」。日本はエネルギー輸入の95%を中東に依存──最も影響を受ける先進国のひとつ。


第3章: 原油── $100の壁を突破

亀美 「原油の話を数字で整理する。」

現在の価格(4/2時点)

銘柄価格開戦前からの変動
WTI(米国原油)$99.85+約30%
Brent(欧州原油)$103.22+約35%
瞬間最高値(3月初旬)Brent $119.50

原油価格の3つのシナリオ

🟢 楽観シナリオ
停戦合意 + ホルムズ再開
Brent → Q3に$80以下、年末$70(EIA予測)
ドル円 → 円高方向(155円以下も)
ゴールド → 下落圧力
🟡 基本シナリオ
長期化 + 部分的緩和
Brent → $100前後で推移(2026年半ば)
ドル円 → 160円付近の攻防
ゴールド → $5,000回復
🔴 悲観シナリオ
戦争エスカレート + 完全封鎖
Brent → $147超え(2008年記録更新・ゴールドマン警告)
ドル円 → 165円以上(介入必至)
スタグフレーション突入

OPEC+の対応

亀美 「OPEC+は4月から日量20.6万バレルの増産を決定。次の判断は4/5。ただし──」

亀太郎 「ただし?」

亀美 「ホルムズ経由の供給が日量2000万バレル減っている状態で、20万バレルの増産は焼け石に水。供給不足を根本的に解決するにはホルムズの再開しかない。」

💡 この章のポイント: 原油はWTI $100、Brent $103。停戦なら$70台まで下落の可能性。エスカレートなら$147超えのリスク。次の転換点はOPEC+(4/5)とイラン期限(4/6)。


第4章: ゴールド ── 安全資産の”逆説”

亀太郎 「戦争が始まったらゴールドは上がるんですよね?」

亀美 「……普通はそう思うでしょ。でも2026年3月に起きたのは、その逆。」

ゴールドの驚くべき値動き

日付出来事価格
1/29史上最高値$5,594
2/28戦争開始$5,296→$5,423(急騰)
3月中旬大暴落$5,400→$4,250(-23%)
3月下旬〜4/1反発中$4,758(4日連続上昇)

亀太郎 「え? 戦争中なのに23%も暴落した? なんで?」

亀美 「これがゴールドの”逆説”。教科書通りにいかない理由が3つある。」

理由1: FRBの金利据え置き
原油高→インフレ再燃→FRBが利下げできない。2026年は1回しか利下げしない見通し。金利が高いとゴールド(無利息資産)は不利。
理由2: ドル高
有事→ドル買い(基軸通貨への逃避)→ドル建てゴールドが割高に。ゴールドとドルは逆相関。
理由3: 機関投資家の利確
1月に$5,594の最高値を記録。戦争でボラが上がったタイミングで大口が利益確定売り。ポートフォリオ・リバランスの売りも重なった。

亀太郎 「“戦争=ゴールド上昇”じゃないんだ……」

亀美 「短期的にはそう。でも今は反発している。ドルが停戦期待で弱くなるとゴールドが買われる。──大事なのは”ゴールドは何に反応しているか”を常に考えること。同じゴールドでも、3月上旬は”戦争”に反応し、3月中旬は”金利”に反応し、4月は”ドルの強弱”に反応してる。」

ゴールドの年内予測

機関年末予測
JPモルガン$6,300
ドイツ銀行$6,000
BNPパリバ$6,250超
ウェルズ・ファーゴ$6,100〜$6,300

亀美 「主要金融機関は全社$6,000超を予想。中央銀行のゴールド買いが構造的なサポート。短期の下落はむしろ買い場という見方が多い。」

💡 この章のポイント: ゴールドは戦争中でも下落しうる(金利・ドル高・利確の影響)。「なぜ動いたか」を考える習慣が、教科書的な思い込みを超えるカギ。


第5章: トランプ関税 ── “解放記念日”から1年

亀太郎 「そういえば今日(4/2)って”解放記念日”の1周年ですよね。」

亀美 「そう。1年前の今日、トランプが世界に向けて”相互関税”を発表した日。1年経ってどうなったか、数字で見る。」

現在の関税率

対象関税率備考
全世界(基本)10%2026年2月発動
中国35%10% + 25%(Section 301)
EU・日本・韓国・台湾15%二国間交渉で軽減
鉄鋼・アルミ50%全世界対象
自動車(日本からの輸入)15%2025年9月の日米合意

亀太郎 「元は2.5%だった実効関税率が13.7%に。5倍以上……。」

1年間の結果

製造業
-89,000人
関税発動後の製造業雇用減。9ヶ月連続で縮小。
貿易赤字
過去最大
関税にもかかわらず2025年の貿易赤字は過去最高を記録。
関税収入
$1,510億
FY最初の5ヶ月で前年の4倍。ただしこれは事実上の消費増税。

最高裁が”解放記念日”関税を違法と判断

亀美 「2026年2月、最高裁がIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく国別関税を違法と判断。$1,660億の返還手続きが4月中旬に始まる。」

亀太郎 「関税が違法って……。」

亀美 「ただしトランプ政権は他の法的根拠で関税を維持。基本10%のラインは崩れていない。返還金が市場に戻ることでドル安圧力になる可能性はある。」

💡 この章のポイント: 関税1周年で製造業は8.9万人減。貿易赤字は過去最大。最高裁が一部違法判断。ドル円への影響は「短期ドル高(インフレ)vs 中期ドル安(景気後退)」の綱引き構造。


第6章: FXトレーダーはどう動くべきか

亀太郎 「で、俺たちはどうすればいいんですか?」

亀美 「シナリオ別に整理する。」

シナリオ別のポジション戦略

📊 シナリオ別マーケット展望
シナリオ USD/JPY ゴールド 原油
停戦合意 ↓ 155円以下 ↓ 一時下落後 $5,000回復 ↓↓ $70台
長期化 → 158-162円 ↑ $5,000-5,500 → $95-105
エスカレート ↑↑ 165円超(介入) ↑↑ $5,500-6,000 ↑↑ $120-147

今週の注目日程

日付イベント重要度
4/2(今日)トランプ関税1周年・演説の可能性★★★
4/5OPEC+次回会合★★★
4/6イランへの期限(発電所攻撃の可能性)★★★★★
4/28-29FOMC(金利決定)★★★★

個人トレーダーの心構え

亀美 「最後に、こういう局面で個人トレーダーがやるべきこと。」

地政学リスク局面の5つのルール
1
ロットを半分にする。通常の半分のサイズで。ボラが倍なら、ロットを半分にしてリスクを一定に保つ。
2
ストップは必ず入れる。地政学ヘッドラインで一瞬で数円飛ぶ。ストップなしは命綱なしで崖登りするのと同じ。
3
ニュースを見てからトレードする。チャートだけで判断しない。地政学局面ではファンダメンタルズが全てを支配する。
4
「わからない」なら休む。プロのトレーダーも地政学リスクの時はポジションを縮小する。休むも相場。
5
ゼロカットのある口座を使う。万が一のヘッドラインリスクで数円飛んでも、借金にならない環境でトレードする。

亀太郎 「“わからないなら休む”って、意外と一番難しいですよね。」

亀美 「でも一番大事。2026年の相場は、55年の歴史の中でも特異な局面。戦争・原油・関税・金利──4つが同時に動いている時代にリアルタイムで生きている。この経験は、あなたのトレーダー人生の財産になる。──ただし生き残ればね。」


この記事は2026年4月2日時点の情報に基づいています。情勢は刻々と変化します。最新情報はGeoMarketsのデイリーブリーフをご確認ください。


📌 免責事項: この記事は公開情報に基づく分析であり、特定の投資を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、地政学リスクの高い局面では通常以上の価格変動が発生する可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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