亀太郎 「亀美さん、正直に教えてください。今、世界で何が起きてるんですか? ニュースが多すぎて頭がパンクしてます。」
亀美 「2026年の世界は、3つの巨大リスクが同時に動いている。」
亀太郎 「戦争と原油と関税が同時に……」
亀美 「これを”混乱”と見るか”チャンス”と見るかはあなた次第。私はデータで整理する。1つずつ行くわよ。」
第1章: イラン戦争 ── 33日間の全記録
なぜ戦争が始まったのか
亀美 「2026年2月28日。米国とイスラエルが、イラン全土に対して同時多発空爆を開始した。初日だけで約900発。」
亀太郎 「900発? なぜいきなり?」
亀美 「公式には”イランの核開発阻止”。ただし根は深い──2025年のイスラエル・ハマス紛争、イランの代理勢力(ヒズボラ・フーシ派)の活動、そして米大統領選での”強いアメリカ”路線。タイミングが重なった。」
戦争のタイムライン
亀太郎 「33日間でここまで……。停戦はあるんですか?」
亀美 「トランプは”軍事目標はほぼ達成”と言っている。でもイランは”停戦など要請していない”と否定。この”言った・言わない”の混乱が市場を最も揺さぶる。トレーダーはヘッドラインひとつで判断を迫られる。」
💡 この章のポイント: イラン戦争は33日目。停戦交渉は混乱中。「停戦期待→ドル安・原油安」「停戦否定→ドル高・原油高」の繰り返しパターン。次の転換点は4/6の期限。
第2章: ホルムズ海峡 ── 世界経済の急所が封鎖された
亀太郎 「ホルムズ海峡って、そんなに大事なんですか?」
亀美 「数字で見せる。」
イランの”安価な封鎖”戦略
亀美 「イランは空母で海峡を封鎖したわけじゃない。ドローンとIRGC(革命防衛隊)の警告だけで90-95%の通行を止めた。」
亀太郎 「ドローンだけで?」
亀美 「そう。数百万円のドローンで、数兆円規模の世界貿易を止められる。これが21世紀の非対称戦争。」
選択的通行──新たなパワーゲーム
亀美 「3/26からイランは”味方の国”には通行を許可し始めた。」
| 通行可 | 通行不可 |
|---|---|
| 中国、ロシア、インド、イラク、パキスタン、マレーシア、タイ | 米国関連船舶、イスラエル関連船舶 |
亀美 「さらにイランは”通行料”制度を提案。ホルムズ海峡を”有料道路”にしようとしてる。」
亀太郎 「国際法的にOKなんですか?」
亀美 「国際法上は完全に違法。でも”誰が取り締まるのか”が問題。米海軍はイランへの空爆に忙しく、海峡のパトロールに十分な戦力を割けていない。──結局、国際法は”力”がなければ紙切れなの。トレーダーとしては”事実としてどうなっているか”だけを見ればいい。」
日本への影響
💡 この章のポイント: ホルムズ海峡は事実上90-95%封鎖。IEA「4月はさらに悪化」。日本はエネルギー輸入の95%を中東に依存──最も影響を受ける先進国のひとつ。
第3章: 原油── $100の壁を突破
亀美 「原油の話を数字で整理する。」
現在の価格(4/2時点)
| 銘柄 | 価格 | 開戦前からの変動 |
|---|---|---|
| WTI(米国原油) | $99.85 | +約30% |
| Brent(欧州原油) | $103.22 | +約35% |
| 瞬間最高値(3月初旬) | Brent $119.50 | — |
原油価格の3つのシナリオ
Brent → Q3に$80以下、年末$70(EIA予測)
ドル円 → 円高方向(155円以下も)
ゴールド → 下落圧力
Brent → $100前後で推移(2026年半ば)
ドル円 → 160円付近の攻防
ゴールド → $5,000回復
Brent → $147超え(2008年記録更新・ゴールドマン警告)
ドル円 → 165円以上(介入必至)
スタグフレーション突入
OPEC+の対応
亀美 「OPEC+は4月から日量20.6万バレルの増産を決定。次の判断は4/5。ただし──」
亀太郎 「ただし?」
亀美 「ホルムズ経由の供給が日量2000万バレル減っている状態で、20万バレルの増産は焼け石に水。供給不足を根本的に解決するにはホルムズの再開しかない。」
💡 この章のポイント: 原油はWTI $100、Brent $103。停戦なら$70台まで下落の可能性。エスカレートなら$147超えのリスク。次の転換点はOPEC+(4/5)とイラン期限(4/6)。
第4章: ゴールド ── 安全資産の”逆説”
亀太郎 「戦争が始まったらゴールドは上がるんですよね?」
亀美 「……普通はそう思うでしょ。でも2026年3月に起きたのは、その逆。」
ゴールドの驚くべき値動き
| 日付 | 出来事 | 価格 |
|---|---|---|
| 1/29 | 史上最高値 | $5,594 |
| 2/28 | 戦争開始 | $5,296→$5,423(急騰) |
| 3月中旬 | 大暴落 | $5,400→$4,250(-23%) |
| 3月下旬〜4/1 | 反発中 | $4,758(4日連続上昇) |
亀太郎 「え? 戦争中なのに23%も暴落した? なんで?」
亀美 「これがゴールドの”逆説”。教科書通りにいかない理由が3つある。」
亀太郎 「“戦争=ゴールド上昇”じゃないんだ……」
亀美 「短期的にはそう。でも今は反発している。ドルが停戦期待で弱くなるとゴールドが買われる。──大事なのは”ゴールドは何に反応しているか”を常に考えること。同じゴールドでも、3月上旬は”戦争”に反応し、3月中旬は”金利”に反応し、4月は”ドルの強弱”に反応してる。」
ゴールドの年内予測
| 機関 | 年末予測 |
|---|---|
| JPモルガン | $6,300 |
| ドイツ銀行 | $6,000 |
| BNPパリバ | $6,250超 |
| ウェルズ・ファーゴ | $6,100〜$6,300 |
亀美 「主要金融機関は全社$6,000超を予想。中央銀行のゴールド買いが構造的なサポート。短期の下落はむしろ買い場という見方が多い。」
💡 この章のポイント: ゴールドは戦争中でも下落しうる(金利・ドル高・利確の影響)。「なぜ動いたか」を考える習慣が、教科書的な思い込みを超えるカギ。
第5章: トランプ関税 ── “解放記念日”から1年
亀太郎 「そういえば今日(4/2)って”解放記念日”の1周年ですよね。」
亀美 「そう。1年前の今日、トランプが世界に向けて”相互関税”を発表した日。1年経ってどうなったか、数字で見る。」
現在の関税率
| 対象 | 関税率 | 備考 |
|---|---|---|
| 全世界(基本) | 10% | 2026年2月発動 |
| 中国 | 35% | 10% + 25%(Section 301) |
| EU・日本・韓国・台湾 | 15% | 二国間交渉で軽減 |
| 鉄鋼・アルミ | 50% | 全世界対象 |
| 自動車(日本からの輸入) | 15% | 2025年9月の日米合意 |
亀太郎 「元は2.5%だった実効関税率が13.7%に。5倍以上……。」
1年間の結果
最高裁が”解放記念日”関税を違法と判断
亀美 「2026年2月、最高裁がIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく国別関税を違法と判断。$1,660億の返還手続きが4月中旬に始まる。」
亀太郎 「関税が違法って……。」
亀美 「ただしトランプ政権は他の法的根拠で関税を維持。基本10%のラインは崩れていない。返還金が市場に戻ることでドル安圧力になる可能性はある。」
💡 この章のポイント: 関税1周年で製造業は8.9万人減。貿易赤字は過去最大。最高裁が一部違法判断。ドル円への影響は「短期ドル高(インフレ)vs 中期ドル安(景気後退)」の綱引き構造。
第6章: FXトレーダーはどう動くべきか
亀太郎 「で、俺たちはどうすればいいんですか?」
亀美 「シナリオ別に整理する。」
シナリオ別のポジション戦略
今週の注目日程
| 日付 | イベント | 重要度 |
|---|---|---|
| 4/2(今日) | トランプ関税1周年・演説の可能性 | ★★★ |
| 4/5 | OPEC+次回会合 | ★★★ |
| 4/6 | イランへの期限(発電所攻撃の可能性) | ★★★★★ |
| 4/28-29 | FOMC(金利決定) | ★★★★ |
個人トレーダーの心構え
亀美 「最後に、こういう局面で個人トレーダーがやるべきこと。」
亀太郎 「“わからないなら休む”って、意外と一番難しいですよね。」
亀美 「でも一番大事。2026年の相場は、55年の歴史の中でも特異な局面。戦争・原油・関税・金利──4つが同時に動いている時代にリアルタイムで生きている。この経験は、あなたのトレーダー人生の財産になる。──ただし生き残ればね。」
この記事は2026年4月2日時点の情報に基づいています。情勢は刻々と変化します。最新情報はGeoMarketsのデイリーブリーフをご確認ください。
📌 免責事項: この記事は公開情報に基づく分析であり、特定の投資を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、地政学リスクの高い局面では通常以上の価格変動が発生する可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。