2025年、中国車が日本車を逆転した
静かに、しかし確実に。世界の自動車産業で地殻変動が起きている。
2025年、中国メーカーの世界販売台数が日本メーカーを初めて上回った。
BYDは460万台(+41%)でテスラを抜きEV世界首位に。吉利(Geely)は400万台超でホンダ・日産を追い越した。
一方、タイではかつて90%あった日本車のシェアが急落。トヨタ幹部は「中国は2カ月で自動車業界全体を停止させることができる」と語った。
何が起きているのか。データで見る。
世界の自動車メーカー 販売台数ランキング(2025年)
注目ポイント:
- トヨタは依然世界1位だが、BYDとの差は急速に縮まっている
- テスラは上半期で前年比-13%。マスクの政治活動がブランドを毀損
- 現代・起亜は3位に安定。韓国勢の堅実な成長
中国の自動車メーカー全図鑑
BYDの実力 — 本物か?
結論: 本物。ただし弱点もある。
強み
- ブレードバッテリー(LFP): 釘を刺しても発火しない安全性。コストも三元系より3割安い
- 垂直統合: バッテリー、モーター、半導体まで自社生産。テスラより部品内製率が高い
- 価格破壊: 中国国内ではEVが100万円台から買える。日本の軽自動車より安い
- 海外輸出104万台: 欧州・東南アジア・中南米を同時攻略
弱点
- 寒冷地: バッテリー航続距離が20-30%低下。ノルウェーでは日本勢(トヨタbZ4X)もシェアを持つ
- ブランド力: 欧米ではまだ「安い中国車」のイメージ
- EU関税: 欧州が中国EVに追加関税。ハンガリー工場で回避策
タイ市場の衝撃 — 日本車シェア急落
タイは日本車の「裏庭」だった。 トヨタ、いすゞ、ホンダが工場を持ち、シェア90%超を誇った。だがBYD、長城汽車がEVで殴り込み、2025年には中国車シェアが25%に急伸。日本車は55%まで後退。
地域別:中国車 vs 日本車の勢力図
トヨタの中国部品依存 — 「2カ月で業界全体が停止」
トヨタのEVセダン「bZ3」はBYD子会社からバッテリーとe-Axleを調達している。これは提携ではない。依存だ。
中国部品への依存構造:
- バッテリー: BYD子会社から調達(bZ3)
- 半導体: 中国ネクスペリア社の輸出制限がトヨタ・日産・ホンダに波及リスク
- コスト: 中国製部品は日本製より2-3割安い。タイ工場でも中国部品に転換中
- リスク: トヨタ幹部が「中国は2カ月で自動車業界全体を停止させることができる」と発言
建設機械・商用車の世界ランキング
乗用車だけが自動車ではない。トラック・建機も世界で戦っている。
日本の建機メーカーは世界で強い。 コマツの「スマートコンストラクション」は建設現場のDXで他社をリード。ここは中国勢に負けていない。
中古車市場:EV vs ガソリン車
「本当にガソリン車は不要か?」への回答: まだNo。
ただし2026年、リース満了の中古EVが大量に市場に出る。中古EVは新車ガソリン車と比べて10年で約200万円の維持費を節約できる(ミシガン大学研究)。
結論: HV(ハイブリッド)が当面の最適解。純ガソリン車は2035年の新車販売禁止方針はあるが、中古車としてはまだまだ乗れる。日本のガソリンスタンドが消えることは当面ない。
日本の強い製造業企業 — 株式投資候補
日本には「見えないチャンピオン」が大量にいる。 ジッパーからペンまで、世界を支配する企業たち。
| 企業 | コード | 分野 | 世界での位置 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| YKK | 非上場 | ジッパー | 世界シェア約45% | IPO待ち。買えないのが唯一の欠点 |
| パイロット | 7846 | 筆記具 | 世界首位級。フリクション | 約¥4,500-4,750。2026/6に1→3分割 |
| コマツ | 6301 | 建設機械 | 世界2位 | ICT建機で差別化。景気連動型 |
| サントリー食品 | 2587 | 飲料 | 国内2位。缶コーヒー・茶 | 自己資本比率58.8%。実質無借金 |
| 信越化学 | 4063 | 半導体素材 | シリコンウエハー世界42.5% | 半導体の心臓部。代替不可能 |
| 村田製作所 | 6981 | 電子部品 | MLCC世界約40% | スマホ・EV両方に必須 |
| ディスコ | 6146 | 半導体装置 | ダイシングソー世界70-80% | チップを切り出す装置の独占企業 |
日本は世界シェア60%以上の品目が220品目ある。 完成品では負けても、素材・部品・製造装置で世界を握っている。これが「日本の製造業はオワコンか?」への答えだ。